イノベーションの場のリサーチ2020を実施いたします。

 
 


イノベーションによって成長するための必要条件は、経営陣が率先してイノベーションに関わることと、従来の組織とは異なるイノベーションのための試行錯誤の場を設けることです。フューチャーセンター 、イノベーションセンター、リビングラボなどのコンセプトで表わされるイノベーションのための場は、デジタル、リアルを問わず、企業が新たな機会を探索し、知識を共創し、価値を具現化するために不可欠な機能です。そこでの活動は単なるワークショップの場などでなく、社会と企業の知を融合していく戦略的実践です。

FCAJでは、これらイノベーションの場のリサーチを実施しています。今年は特に、新型コロナウイルスによるイノベーション活動や場への影響に関する調査も行い、今後のイノベーションの場の運営指針としてまとめていく予定です。

尚、本調査は、FCAJと慶應義塾大学大学院 SDM研究科の共同実施となります。
調査結果は2021年春にシンポジウムにて発表する予定です。

本調査のベースはEMIC(Evaluation Model for Innovation Centers)という、イノベーションの場の評価フレームワークです。イノベーションのための場を持つ企業、自治体、研究機関の皆さまは、下記をご参照いただければ幸いです。

■調査対象:
FCAJメンバー組織の他、国内外のイノベーションのための場

■EMICの情報:

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https://futurecenteralliance-japan.org/2020theme/emic

イノベーションの成功には従来の組織や働き方とは異なる試行錯誤の場を設ける事は不可欠です。ただし、それだけでは充分ではありません。イノベーションを持続的に起こすための基盤となる経営システム、それに基づくイノベーション経営のガバナンスが、特に企業規模が大きくなれば求められます。今やスタートアップだけがイノベーションを起こす時代ではなく、産官学民の多様な組織の連携によるオープンイノベーションが急務といえます。



本調査の担当

FCAJ理事 齋藤、村田

「イノベーションの場のインパクト」レポートサマリー版配布とフォーラム動画公開のお知らせ

EMIC (Evaluation Model for Innovation Centers)

レポートサマリー版配布とフォーラム動画公開のお知らせ

FCAJでは毎年、先進的な場の訪問と運営者ヒアリング、専門家との対話からなる参加型のリサーチプログラムを推進しております。
昨年度は国内と欧州のイノベーションセンター20箇所を訪問し、「イノベーションの場のインパクト」に関するリサーチを行いました。その成果の一つが場の評価ツールEMIC(Evaluation Model for Innovation Centers)の開発です。

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2019年度の研究結果の発表と、2020年度のリサーチ計画についてのオンラインフォーラムの様子を公開いたします。研究結果について詳しく知りたい方は是非ご覧くださいませ。
▼2020/7/6 EMICフォーラム動画

また、2019年度のリサーチレポートのサマリー版を公開いたしました。
ご関心のある方は是非ご一読ください。
下記よりダウンロード可能です。

FCAJでは、2020年度のリサーチ参加企業募集しております。
FCAJメンバー外からのご参加希望・本リサーチについてのお問い合わせは、お問い合わせフォームよりお願いいたします。

Zero Carbon YOKOHAMAプロジェクト成果をまとめました

 
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FCAJのプロジェクトのひとつ Urban Climate Resilience Project(呼称アークレPJ)で 昨年度行った[横浜市温暖化対策室×FCAJ WS]の報告書をまとめ、 ワークショップの様子を収めた動画がまとまりましたのでお知らせいたします。

アークレPJは、社会課題の一つである気候変動をテーマに 都市のレジリエンスを考えていくプロジェクトです。

横浜市とのワークショップは連続3回のプログラムとして 進めておりましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で 3回目の開催は無期限延期となりました。
今回の新型コロナウィルスショックは全世界に広がりつつあります。 世界中で都市機能が麻痺し、経済にも大きな打撃を与えている 社会問題の対峙という点で、温暖化の問題も同等の危機です。 コレクティブインパクトという視点で皆さんと一緒に、リアルに考え、 学び・語り合う場を作っていく必要性を感じています。

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主催:横浜市
事務局:日本政策投資銀行グループ株式会社価値総合研究所
運営:一般社団法人Future Center Alliance Japan
映像制作:ソーシャルフィルム株式会社
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緊急提言を発表しました

 
 

緊急事態宣言の延長が決まり、先行き不透明で予断を許さない状況が続きます。
この度FCAJでは「After or Together COVID-19には「利他」と「共感」のスピリットを」と題して、5月5日付で緊急提言をプレスリリースいたしましたことをご報告いたします。
https://kyodonewsprwire.jp/release/202005059659

4月末より2週間にかけて、4/21に年次シンポジウム、5/3に緊急アカデミーを開催しいたしました。
合計200名の方々にオンラインでご参加いただき、新型コロナの影響を踏まえた社会や経済のあり方について議論いたしました。

これらの議論も踏まえ、FCAJ特別アドバイザーである小泉英明氏(日本工学アカデミー上級副会長、日立製作所 名誉フェロー)と野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)からのメッセージを、共同提言としてまとめました。

つきましてはHPにも特設ページを設け、緊急提言の内容を公開しております。
詳しくはこちらからご覧くださいませ。

一橋大学名誉教授 野中郁次郎氏、日本工学アカデミー 小泉英明氏 による緊急提言特設ページ

上記よりPDF版のダウンロードも可能です。
英語にも対応しております。
ぜひ周囲にも共有いただき、多方面に展開いただけましたら幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

FCAJ /BAO(BA Architect Office) 一同

Z世代が住みたい街を実現するモビリティ社会とは

今回はFCAJ1年ぶり2度目の名古屋開催です。

ネクストジェネレーションといわれるZ世代(1990年代後半〜2000年代生まれ)の立場になり、当世代にとって魅力的な街に求められるモビリティ社会について考えました。

前日のCES (Consumer Electronics Show 2020年1月7〜10日)では、トヨタが都市ビジョンを発表したり、ソニーが自動運転車を披露するなど、モビリティのあり方自体のパラダイムシフトを感じます。経済/環境/社会などの側面でZ世代による社会インパクトが益々ワークフローてくる中、ネクストジェネレーションの価値観を知ることはこれからの社会変革に欠かせません。ワークアウトステージでは、シナリオプランニングの第一人者である東京大学の角和教授進行のもと、2019年に東大の大学院生と考えられたシナリオ3本をご紹介頂いた他、FCAJの若手メンバー等によるテーブルファシリテーションによるこれまでにないグループワークが行われました。

【日時】2020年2月6日(木)13:30〜18:15
【場所】なごのキャンパス(愛知県名古屋市西区那古野2丁目14-1)
【内容】イントロダクション:課題提起 豊田通商、東和不動産

◆インプットステージ◆

インプットトーク1:「アクティビティ起点の持続可能なまちづくり〜社会・環境・産業の視点から〜」三菱地所・エコッツェリア協会事務局次長 田口 真司氏
インプットトーク2:「レジリエンスやサイエンス等の観点から見る未来の都市像」日本科学未来館事業部長・副館長 中西 忍氏
インプットトーク3:「感動させるモビリティとしてのMaaS」小田急電鉄経営戦略部 久富 雅史氏
インプットトーク4:「Z世代の価値観、関心領域について」産業能率大学経営学部教授 小々馬 敦氏

◆ワークアウトステージ◆

ワークデザイン/FCAJ BAO YOUTH 吉備 友理恵氏・東京大学公共政策大学院客員教授 角和 昌浩氏

インストラクション1:「Z世代が考えるモビリティ社会のシナリオ」東京大学公共政策大学院客員教授 角和 昌浩氏
インストラクション2:「Z世代のモビリティ利用シナリオ2040の紹介」東京大学公共政策大学院院生 秀島 佑茉氏 

グループワーク1:Z世代の価値観を共有する 
グループワーク2:Z世代の価値観でまち・モビリティを想像する

産学連携イノベーションのリフレーミング -なぜ産学連携はうまくいかないのか-

2020年最初のFCAJ定例会は日立製作所・「協創の森」にて開催されました。

テーマは「産学連携」です。日本のイノベーション力の主成分である研究開発力、特に基礎研究力の低下は明らかになっています。そのボトルネックの一つが産学連携です。
ところが、産学それぞれが、単に連携したり、単独で解決しようとしても限界がある、というのがFCAJの見解です。「プルーラル・セクター」のような触媒になる場や仮想的組織が不可欠です。

いつもとは異なる視点で、各企業、文部科学省、経済産業省、大学から、産学・官民の関係者が今後の産学連携のプロトタイプにつながる構想についてオープンに、活発かつシリアスに議論しました。

【日時】2020年1月24日(金)13:30〜18:15

【場所】日立製作所「協創の森」(国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地)

【内容】
◆インプットステージ◆
「新産業創出による社会変革を進める産学連携プロセスとエコシステム」事例紹”European Cluster Collaboration Platform”などの取り組み:FCAJ代表理事 紺野 登氏
インストラクション1:「共創の先にあるもの:現実社会と向き合う産学ラボと地域エコシステムの形成」日立製作所
インストラクション2:「産学連携のビジョンと課題~これまでの官民FCの振り返り~」文部科学省産業連携・地域支援課長 斉藤 卓也氏、経済産業省大学連携推進室長 川上 悟史氏

ゲストトーク1:「”One Earth Guardians”プログラムや、フィンランドでのバイオエコノミー実践における意識改革」東京大学農学生命科学研究科准教授 五十嵐 圭日子氏
ゲストトーク2:「社会善・共通善をベースとした成長ビジネスのアイデアと仕掛け・仕組みと人材」SUNDRED株式会社CEO 留目 真伸氏
ゲストトーク3:「倫理的羅針盤としてのアカデミアの役割と今後の多元的な組織や人材連携」FCAJ特別アドバイザー、工学アカデミー上級副会長、日立製作所フェロー 小泉 英明氏


◆ワークアウトステージ◆
ナビゲーター/FCAJ BAO 沖田 京子氏
インストラクション:「産学連携におけるアイデアからエコシステム形成に向けたブリッジング機能をいかに働かせるか」
グループワーク1:ブリッジング機能・組織の在り方についてグループトーク
グループワーク2:アクションプラン(プロトタイプ)の構想

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霞が関・虎ノ門エリアの官民共創へのチャレンジ-プルーラルセクターと場のネットワーク-

2019年FCAJ第6回定例会は霞が関・虎ノ門エリアの官民共創へのチャレンジです。
イノベーションの場は企業に限らず、政府・自治体でも重要で、単なる従来の「審議会」方式とは異なる、よりオープンな未来「政策構想」型のありかたが求められています。また、民間企業の側も自社だけ、産業界だけでは社会的なイノベーションの実現は難しいのが現実です。そこでFCAJではかなり前から「官民FC」として、FCAJ方式の企業と省庁・共創の場のデザインを試行錯誤してきました。
今回はFCAJメンバーの日本土地建物さんのコワーキングスペース、「SENQ霞が関」にて、この試みをさらに一歩進めるエポックとなる会議(ワークアウト)が行われました。省庁、企業からの参加者によって、霞が関・虎ノ門エリアを官民共創の街とする構想、プルーラルセクターとしての役割、他の官民の場とのネットワークなど、場の実現に向けての対話が行われました。近々こうした試みが具現化することになるでしょう。

【日時】2019年12月23日(月)15:00〜18:00
【場所】SENQ霞が関(東京都千代田区4霞が関一丁目4番1号日土地ビル2F)

◆インプットステージ◆
オーナートーク
(1)「官民連携FC設置の背景、仮説、課題認識の共有」日本土地建物株式会社 川島 興介氏(2)「官民共創コミュニティの活動報告と課題」株式会社Publink 栫井 誠一郎氏

インプットトーク:官の立場
(1)「未来対話ルーム設置背景、目指す姿、課題認識」経済産業省産業創造課 小島 直人氏

(2)「官民連携の実態」富士フイルム株式会社 塚本 直樹氏(元内閣府出向)

ピッチトーク:民の立場
(1)「民間拠点FC/ICの理想や課題、官民FCへの期待など」株式会社日立製作所 沖田 京子氏、富士フイルム株式会社 小島 健嗣氏

◆ワークアウトステージ◆

グループワーク

イノベーションと企業の哲学-サーキュラーエコノミーの実践の作法-

FCAJアカデミーin京都

11/25、メンバーの島津製作所さんの新たなオープンイノベーション空間KYOLABSにてアカデミー開催しました。FCAJにはいくつかの活動がありますが、アカデミーは学びと思考・熟考の場であり、個々が自分自身の考えを振り返る機会です。

今回のテーマはサーキュラーエコノミーです。
時代認識、廃棄に関する危機的状況、社会経済の新たな仕組みやそのための都市空間デザインの要請、その基盤となる哲学、構想力の重要性などが語られ、80名近く集まった一同活発に悶々としました。

【日時】2019年11月25日(月)13:30〜18:00
【場所】島津製作所ヘルスケアR&Dセンター内KYOLABS

【内容】

ナビゲーター/FCAJ BAO 松本 由紀氏
プロローグ:「起業を取り巻く環境変化」内閣府知的財産戦略本部前局長住田氏
「インクルーシブデザインとサーキュラーエコノミーの邂逅」ゲストトーク
ゲストトーク1:京都大学博物館准教授 塩瀬 隆之氏
ゲストトーク2:京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab特任教授 水野 大二郎氏
ゲストトーク3:株式会社ナカダイ代表取締役 中台 澄之氏
ゲストトーク4:「京都のイノベーションエコシステム」京都信用金庫理事長 榊田 隆之氏
ゲストトーク5:「哲学とイノベーション」株式会社フェニクシー哲学コンサルタント 奥井 剛氏
エピローブログ:FCAJ代表理事 紺野 登氏

Living Labsの世界潮流を学ぶ -Open Living Lab Days 2019 から-

世界最大のリビングラボネットワーク、European Network of Living Labs(ENoLL)は毎年、Open Living Lab Daysというグローバルイベントを開催しています。

FCAJはENoLLとパートナーシップアグリーメントを締結しており、2019年9月に開催された「Co-creating innovation: scaling up from Local to Global」に参加したメンバーによる報告会が行われました。

【日時】2019年11月14日(木)17:00〜19:00
【場所】日立協創空間(東京都港区赤坂)
【内容】発表者 沖田 京子氏(日立製作所、FCAJ-BAO)、吉田 敦也氏(テクサラダ代表、徳島大学名誉教授)、齋藤 敦子氏(FCAJ理事)、紺野 登氏(FCAJ代表理事)、他

このイベントは世界中からリビングラボの実践者と研究者が集まり、リサーチや最新動向、オープンダイアログ、具体的テーマによるディスカッション、ワークショップ、現地訪問など、多様なプログラムで構成されています。
欧州のリビングラボは400近くとも言われていますが、今年のテーマはリビングラボを地域から外へどうスケールアップしていくか、というテーマでした。
世界的にみてリビングラボが増えているスペイン、市民主体のオープンイノベーションが盛んなフィンランド、他にも様々な都市、地域で実践されているリビングラボや俯瞰的な研究成果などが共有されました。 FCAJメンバーからはこまつしまリビングラボや岩見沢市の北大COIの活動などが共有され、最後のオープンディスカッションでは、日本におけるリビングラボの可能性について意見交換が行われました。

リビングラボについては、FCAJが発行している「WISEPLACE Living Labs」をご参照ください。

ENoLL はFCAJとパートナー提携をしております。

 

都市の気候復元力-イースト東京における都市のレジリエンスを高めるための新事業とは-

2019年FCAJ第5回定例会

今年から欧州ではFCAなどが主導しGlobal Lab(※)というイニシアチブが始動していますが、第1弾のテーマが「Climate Resilience(気候変動への強靭性)」です。
※ボーダレスな課題に対してソサエタルイノベーションを興すために、グローバルレベルで各国のFCやイノベーションセンターなどが連携し、解決策をプロトタイピングしていくイニシアチブ

レジリエンスというキーワードが広がって久しいですが、包括的な感が否めませんでした。一方、昨今の災害などを経験している私たちには「都市の気候変動に対する復元力」は具体的な問題になっています。
今回のFCAJミーティングは、イースト東京を舞台に気候変動からより広い都市のレジリエンスを起点に新しい産業や事業、都市のイノベーションを考える場となりました。
欧米に比べ日本は気候変動への関心が薄いという調査もありますが、したがって場から実践が生まれていなければを狙いにしています。

【日時】2019年10月23日(水)13:30〜18:10

【会場】BRIDGE Fujikura Innovation Hub

【内容】
◆インプットステージ◆

テーマオーナートーク

(1)「レジリエンス視点での都市のアップデート」日建設計NAD
(2)「江東区における企業としての取組み」株式会社フジクラ

ゲストトーク

(1)コミュニティ視点
「喫茶ランドリーを通じた最先端のコミュニティ起点の場づくり」株式会社グランドレベル 田中 元子氏
(2)教育視点
「子どもや若者の成長を支援する社会教育事業やチャンス・フォー・チルドレンの紹介」NPO法人夢職人 岩切 準氏
(3)アート・文化視点
「海外アーティスト向けクリエイティブレジデンスから見たイースト東京の魅力」ALMOST PERFECT東京 Luis Mendo氏 岡田 有加氏
(4)移動・インフラ視点
「復興復旧・防災の取組み、災害にしないためにどうするか」UR都市機構 村上 卓也氏
(5)行政・制度視点
経済産業省 産業技術環境局 環境経済室長 梶川 文博氏

◆ワークアウトステージ◆
「2030年にイースト東京のレジリエンスを強化しているための事業とは?」
グループワーク:都市気候回復力視点で新事業や新産業を構想する