倫理産業
(エシカルインダストリー Ethical Industry®︎)
日本では「Society5.0」が新たな科学技術政策として提示されています。そこではサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間性重視の社会が描かれています。しかし、そこでは個人のデータがどのように扱われるかが問題になり、データやそれらを活用するAI企業や組織には「倫理」が大きな課題となっています。
他にも、エネルギー、バイオサイエンスなどあらゆる「先端科学」と社会の接点で、このような議論が避けられなくなっています。 ただし、これまでの倫理は科学や経営をルールで抑制する傾向が強かったのも事実です。逆に伝統的な価値観やバイアスが本来よりよい社会をもたらす技術の足かせになることもありえるからです。
つまり、倫理は、私たちがこういった問題を議論するときの哲学的な知識にとどまらず、実践的なソフト技術(アート)だと考えられます。このような視点から倫理をとらえて「共通善」に基づきながらイノベーションを実践していくために、FCAJでは、倫理的な思考や対話の場を提供・支援する組織や産業を「倫理産業」(エシカルインダストリー®︎)と呼んでいます。
そのためにFCAJは「目的工学 Purpose Engineering®︎」のような方法論の普及と、そのための「場」(ワイズプレイス®︎)のデザインや実践などを通じて、「プルーラルセクター」としての機能を果たしていきます。
ACTION
FCAJシンポジウム「変容の時代における新たな“倫理”」
FCAJは設立3周年のテーマとして、企業や経済活動においてまだ顕在化していないけれども今後イノベーションにおいて極めて重要になる「倫理」、とりわけ今後世界が経験する「精神の時代」の社会や経済の倫理を取りあげました。