9月20日に博報堂UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)にてUoC流のマンダラ形式(創造性が衝突し、越領域の才能が出会う対話)で「創造性と問い」をテーマに構想プログラムを開催しました。
当日は、約20名の高校生(N高S高)や大学生(慶應SFC 鈴木寛研究会)と、FCAJメンバー約30名が、創造性を拓く問いを一緒に考えました。
参加者からは「とても楽しかったです。そして、奥深かったです。問いは哲学だと再認識しました。ありがとうございました!」「創造性を創発する問いを考える中でハッと気づかされることが多かったです。 誰に対しての問いなのか?何を聞かんとしているのか?言葉の選び方は適切か?考えるよう今後意識します。」「問いをどうやったら生み出せるか、のヒントを得られて、これからもやってみたいです!」「日常生活の中で無意識のうちに考えていたりするものの、なかなか言語化することのできないものに思考を馳せることができた。」等々たくさんの感想が寄せられました。
<プログラム内容(敬称略)>
MC:星出 祐輔(博報堂UoC)、根本 かおり(博報堂)
(1) UoCの設立背景 - 波多野 昌樹(博報堂 執行役員)
(2) UoCの活動紹介、自己紹介(アイスブレイク)
(3)キーノート、パネルディスカッション「よい問いとは?」
- 鈴木 寛(慶應義塾大学SFC教授)
- 嶋本 達嗣(博報堂 元執行役員)
- 山際 邦明(FCAJ共同代表理事)
- 紺野 登(FCAJファウンダー):ビデオメッセージ
(4)グループ対話:よい問いの条件を考える
(5)グループワーク:具体的な社会課題をテーマによい問いを考える
(6)グループ発表
事前課題では、全参加者から「人生で深く印象に残っている問いとその理由」をお寄せいただき、それらをグルーピングした「問いの地図」も参照しながら、創造性を導く良い問いの条件について考えました。
問いの地図もトリガーに、パネリストや参加者との間で、創造性や問いに関する様々なキーワードも出てきました。
「創造性とは強烈な難問に向き合うことと当事者性」「正解がないが考え続けたくなる問い」「遠く(未来)から自分を俯瞰する問い」「感情に訴える表現力がセクシーな問い」「どんどん発想が広がり問いが連鎖する問い」「問いはアート(それぞれの価値観によって捉え方が異なりお互いに新たな発見がある)」
また、自分ごとから発議したものであっても皆が共感するためにはどうするか、自分の問いと自分たちの問いの変換をどうするかなども会場から投げかけられました。
特に学生からの、違和感や矛盾を臆せず率直に発言する(問う)姿勢によって、場が活性化し、FCAJメンバーも大いに刺激を受けました
グループワークではスクリーンに投影された数々のテーマの中からグループごとに1つ選び良い問いを考えました。最後の発表では、「AIからプロポーズされたら受け入れる?」「社会的な私利私欲ってどんなもの?」「いま見えていて見たくないものは何?」「300年後ひとはどのように死ぬのか?」等々、深く考えさせられる問いがたくさん出ましたが、アウトプット以上に議論のプロセス自体がとても価値あるものでした。
複雑で大きな課題に立ち向かう創造性主導社会では「答え」を考える力より、「問い」を考える力が求められます。そんななか多くの組織がすぐに結果を求める短期志向になりがちですが、じっくりと問いを考えることで、筋の良いコンセプトや世界観を描くことが、結果的に大きなビジネスや社会インパクトにつながることを再認識しました。
知識や見栄に邪魔されずに、本音で本気の対話が成立する場やコミュニティーの広がりが産官学の組織の中でも多発し連携が加速することが望まれます。さらには今回のマンダラで経営層や役員クラスと次世代との対話が実現すると多世代によるコレクティブ・ブレインのインパクトは計り知れないと感じました。
プログラムの様子は、UoCのホームページでも紹介されています。