12月6日に渋谷QWSにてフィンランド遠征(10/8-13)の報告会を実施し、オンライン参加者も含め合計70名が参加しました。
当日は遠征参加者全員が登壇し、都市や人財育成、R&D等の視点から、現地で得た学びや成果を共有し、私たちのイノベーション活動にどう取り入れるか議論しました。
【プログラム】(敬称略)
(1) 遠征概要と考察: 村田博信(FCAJ理事)
(2)遠征参加者によるパネルダイアログ
①スマートシティ、都市
- 佐々木誠(三井不動産S&E総合研究所)、久富雅史(小田急電鉄)、村田博信
②人財育成、スタートアップ
- 岩田健太(東急/渋谷スクランブルスクエア)、佐藤将(ジェイフィール)、齋藤敦子(FCAJ理事、コクヨ)
③R&D、エコシステム
- 高倉淳(味の素)、野村幸雄(東急/渋谷スクランブルスクエア)、中山こずゑ(FCAJ共同代表理事)
(3)フィンランドとの連携のご紹介(動画) :清水眞弓(Enter Espoo)
(1)遠征概要と考察
R&Dイノベーションや教育、スタートアップ、都市という視点で見た時に、ウェルビーイングとサステナビリティを大目的にあらゆる取組みがエコシステムとして有機的に連携され、市民参加型で社会をドライブしていることが印象的でした。
(2)遠征参加者によるパネルダイアログ
①スマートシティ、都市
[主な訪問先]Oodi公立図書館、Iso Omenaショッピングセンター、カラサタマスマートシティ
市民が自由なスタイルで利用できるリビングルームとしての公立図書館や、市民が必要とするサービスを1箇所に集めたショッピングセンター、各所で市民の声を拾うフィードバックシステムを設けアジャイル式に開発を進めるスマートシティ・リビングラボなど、市民中心のまちづくりが徹底されていました。
さらにはカーボンニュートラルなどのような社会インパクトにつながる行動変容のサービスデザインなど、社会課題を自分ごとにする(行政任せにしない)工夫が随所に見られました。
②人財育成、スタートアップ
[主な訪問先]アールト大学、Make with Espoo (就学前教育)、Nordic Deep Tech Business Summit、Maria01
大学生が企業から中長期なテーマと資金を与えられ自由な発想でプロトタイピングや、移民の多い国として就学前から多様な価値観を学ぶ「世界観(World View)」というプログラムなど、実践的かつ複眼的に構想する力を育む教育システムです。
また北欧最大級のスタートアップには200社近くが入居し、国が進めるサステナビリティと足並みを揃えることでVTT技術研究センターやスマートシティとの連携や資金調達のエコシステムが形成されています。さらには学生主催のスタートアップ支援活動をはじめ、起業する上での心理的や金銭的なハードルが低いことも特徴です。
③R&D、エコシステム
[主な訪問先] VTT技術研究センター、ノキア
技術研究のみならず未来シナリオや組織改革などの顧客向けソリューションを通じていかに社会実装するかというソフト面の充実や、プロトタイプをユーザー視点で議論する場作りが長けています。さらにはメガトレンド等に基づくリソース配分やロードマップの柔軟性、シナリオのバージョンアップなどがサステナブルに回る仕組みが印象的です。
またセクター間で多様な人材が流動することで、個人ベースの多様性と、組織ベースの多様性が増し、さらにフラットな組織文化などがエコシステムの基盤にあります。そしてみんなで社会課題を解決しようという熱量が高く、行政や教育機関はそれを妨げない姿勢で後押しします。
(3)フィンランドとの連携のご紹介(当日は動画でご紹介)
エンターエスポーでは、技術リサーチや現地訪問、法人設立サービスなどを通じて、日本企業のイノベーション促進としてエスポー市を活用いただくサポートをしています。フィンランドやエスポー市のウェルビーイングへの取り組み、イノベーションエコシステムの様子などを現地で体験いただくプログラムも現在検討中です。