FCAJでは、2019年に世界に先駆け「イノベーションの場のインパクト」調査をもとにEMIC (Evaluation Model for Innovation Centers)モデルを提唱し、2020年には、EMICのフレームワークを活用したWebサーベイを行い、日本と欧州の87の場の特徴や違いを知ることができました。
そのサーベイ結果では、特に日本は、①場への適切な人材の配置と運営の自主性 ②戦略的な実践のプログラムづくり ③経営戦略の中での場の独立した位置付けなど、効果が現れている企業との差異が明らかになりました。場の継続性や戦略性の弱さがボトルネックになっているようです。
そこで2021年度はベンチマーキングやデプスインタビューを中心とした深掘り調査をスポンサー企業5社と実施しています。本プログラムの狙いは『イノベーションの場の成功要因を参加企業自身が発見して議論を深め、自社への適応を進める』ことにあります。
これまでに以下のベンチマーク調査を進めており、分析結果のサマリーは2022年度に共有する予定です。
[国内]4社訪問、3社デプスインタビュー
富士フイルム OI-Hub(オープンイノベーションハブ)
ダイキン工業 TIC(テクノロジーイノベーションセンター)
積水化学工業 MIC(水無瀬イノベーションセンター)
SAPジャパン (エクスペリエンスセンター東京、インスパイア-ドラボ、イノベーションフィールドフクシマ)
[海外]5社訪問(オンライン)、4社デプスインタビュー
オランダ MALL(Marineterrein Amsterdam Living Lab)
イギリス Connected Places Catapult
デンマーク Blox
オランダ HTCE(High Tech Campus Eindhoven)
フィンランド ESPOO(ESPOO市、Nokia、VTT)
2022年1月17日には、上記ベンチマーク調査の一環として、FCAJメンバー限定に、「欧州No1のサステナブルで知的な都市エスポー市から学ぶイノベーションエコシステム」と題した海外プログラムを実施しました。エスポー市やVTT(科学技術研究所)、Nokiaなどから、エコシステムの実践を学ぶ機会となりました。