9月11日、NTTコミュニケーションズさんオーナーで「イノベーションの社会実装」をテーマに、イノベーションや新規事業の社会実装における有効なツールアプローチを考える目的でテーマオーナープログラムを実施しました。
「アイデア創出はできているが、その後の実装化に至るプロセスが体系化されていない」「収益化までに期間を要する案件が多い中で、共創プロセス自体など非財務的な評価方法も必要」といった課題意識をお持ちの参加者のみなさんと、
PoC(Proof of Concept:概念実証)からの実装における課題やTipsを共有し、必要な仕組みづくりを一緒に考えていく時間となりました。
参加者からは、「複数ゲストで多様な視点が入ったグループ対話で現場の多様な意見も聞けた」「今の日本の共創モデルのフレームを理解し俯瞰できた」などの声が寄せられました。
会場は、NTTコミュニケーションズ社が2022年に開設した事業共創の場「OPEN HUB」。プログラム開催前には、「OPEN HUB」場の見学ツアーがあり、NTTグループだからこその通信技術、オープンイノベーションでの実証実験事例をご紹介いただきました。
<プログラム>(敬称略)
(1) オープニング、趣旨説明
(2) OPEN HUBの取り組み紹介、ツール紹介、課題共有
NTTコミュニケーションズ(株)
(3) 事例紹介「アイデアを社会実装する取り組みや仕組み」
(株)point0 豊澄 幸太郎氏
SAPジャパン(株)五十嵐 剛氏
(4) グループディスカッション「アイデアをPoCから社会実装に繋げる上での課題と対策
テーマ1:「社会実装に有効なアプローチやツール」
テーマ2:「取り組みの評価(人材のモチベーション設計など)」
(5)グループ発表
(6)ラップアップ
<OPEN HUBの取組み紹介、ツール紹介、課題共有>
NTT コミュニケーションズ Chief Catalyst /Business Producer
の畑 貴之 氏より、OPEN HUBが取り組んでいる、社会課題起点のプロジェクト例をなぞらえながら、同社らしい「リアル/リモート/バーチャル」のツールを活用している様子を解説いただきました。
OPEN HUBで提供されている「知る」「つながる」「体験する」「生み出す」という4つの体験について、具体例を共有いただきました。
参加者が最も気になる「新規ビジネスの創出や社会実装」のプロセス、「生み出す」
フェーズでの共創プログラムでは、社内外のカタリストの存在、課題設定、アイディエーション、ビジネスモデル検証、価値検証、技術検証、事業性検証の流れについて共有されました。
<事例紹介>
株式会社point0 副社長の豊澄 幸太郎氏より、2018年からはじまった「Point0」の取組みについてお話しいただきました。Panasonic株式会社の社員でもありながら、Point0社の副社長としてどのように業務を分けているのかということ自体が興味深いお話でしたが、「本気の企業間共創」として取り組む魅力と難しさが共有されました。実証実験から事業化していく部分については、知財の考え方等について参加者から質問され、リアルな悩みが共有されました。
株式会社Point0 /協創・共創のためのコンソーシアム
次に、
SAPジャパン株式会社の五十嵐 剛 氏より、SAPジャパンの今後の戦略的指針となる中期変革プランのビジョンを社内浸透させるための取組みについて共有されました。やるべき行動を認知し、共感し、実際に行動(実践)する、更にはその行動が定着するというレベルに進んでいくには、どのくらいの人数(全体数からの%)が必要なのか、社内での調査実践から来た数字が共有され、参加者の関心を誘っていました。
<グループディスカッション>
その後のグループディスカッションでは、miroを用いて、「社会実装に有効なアプローチやツール」、「取組みの評価(人材のモチベーション設計など)」の2つのテーマにわかれて、特に議論したいテーマの方に集まってディスカッションをすすめました。
参加者からは、「イノベーションは、事業開発側の志ベースでのストーリーで語られがちだが、近いマーケットを目指して別々のアプローチをしている企業が集まり、新しいマーケットをつくる可能性を考える議論があってもよいのでは」というご意見もありました。
【OPEN HUBについて(Webサイトより一部抜粋)】
OPEN HUB for Smart Worldは、社会課題を解決し、わたしたちが豊かで幸せになる未来を実現するための新たなコンセプトを創り、社会実装を目指す事業共創の場です。
各領域に精通した専門家であるカタリストやパートナー企業に所属する「人」とともに、 多様なアイデアや最先端の「技」を組み合わせて、
リアルに、時にバーチャルな「場」で思考を重ね、ビジネス課題の解決に向けた取り組みを行っています。
「知る」「つながる」「体験する」「生み出す」。 OPEN HUBが提供するこれら4つの体験を通して、企業の皆さまとともに、新規ビジネスの創出や社会実装を目指しています。
<Webサイト> https://openhub.ntt.com