11月26日にICMGのオーナーで、自社の知的資本を可視化して、新たな価値創造ストーリーを考えることを目的に、テーマオーナープログラムを実施しました。
知的資本は、組織資本、人的資本、関係資本からなりますが、1990年代の北欧にて知識経営研究のリーダー的存在だったレイフ・エドヴィンドン氏(FCAJ創設時から特別アドバイザー)が、未来の知的資本を形成するための「場」として提唱したのがフューチャーセンターでもあります。
今回は、参加者が事前にICMGの知的資本アンケートに回答し、当日はそのレポートをもとにお互いの知的資本の状況を共有しながら、何が原因でどうすべきなのかを具体的に議論しました。
参加者からは、「知的資本という視点から様々な角度で企業の課題を議論できました」「組織の強みの全体像を考える視点を持てた」「知的資本を見える化する事で、さまざまな可能性を感じた。例えば二つの部署間のシナジーを検討する際などにも活用できそう」「経験と実績豊富な豪華なパネリストの公の場では聞けない貴重な話が聞けた」などの声が寄せられました。
<プログラム>(敬称略)
15:00 オープニング、趣旨説明
15:05 【テーマ提起】知的資本経営の実践 –ICMG 登内大輔
15:20 【キーノート】知的資本から価値を生み出す「場」 –FCAJ紺野登
15:35 【パネル】知的資本からの価値創造 〜実践例を交えて
–和田宏行(ICMG)、登内大輔(ICMG)、紺野登(FCAJ)、MC 宗野尚佳(ICMG)
16:20 休憩
16:30 【グループディスカッション】 知的資本を可視化して、価値創造ストーリーを考える
17:30 全体シェア
17:55 ラップアップ
18:00 終了(19:00までネットワーキング懇親会)
<【テーマ提起】知的資本経営の実践>
冒頭では、ICMG執行役員の登内大輔氏より、強い意志が共鳴し合い価値を創造する上で、果実(財務成果/非財務成果)と幹(価値創造プロセス)と、それを支える根(知的資本)からなる捉え方を紹介いただきました。それを推進するための4Dサイクルとして、Discover(知的資本の見える化)→Design(パーパス〜戦略フォーカスを描く)→Deliver(価値創造の実践)→Disclose(価値創造ストーリーをステークホルダーと共有)というプロセスが共有されました。
<【キーノート】知的資本から価値を生み出す「場」>
続いて、FCAJファウンダーの紺野登氏より、資本(Capital)の語源から、知的資本(Intellectual Capital)は知識社会・経済の人間・組織の基本的資本であることや、ICは常に未来を志向する企業(経営)において過去と未来をつなぐ「場」によって価値を顕在化させることなどが示されました。さらには脳の構造からも、記憶は空間認知と結びついているため「場」が知識共有を支える一助となり、組織内外の知の生態系を繋ぎ知識創造を促進することが共有されました。
<【パネル】知的資本からの価値創造 〜実践例を交えて>
パネルディスカッションでは、はじめにICMG取締役の和田宏行氏より、日立製作所での知的資本経営の導入事例について紹介されました。最初のICレーティングでは社内の階層ごとに知的資本に関する認識の違いが明らかになり、ビジョンを浸透させる段階では非財務の戦略ストーリーに関する対話ワークショップを丁寧に実施。飛び地ではない現業イノベーションを謳い、非財務に関するKPIもモニタリングするなど、ICの可視化から仕組み化までトップのコミットメント(人的配置や投資)のもと牽引されました。
<グループディスカッション>
その後のグループディスカッションでは、参加者が事前に回答した知的資本アンケートの結果レポートを共有し合いながら、自社における知的資本経営のあり方を議論しました。
■ICMG Future Center Tokyoについて
共創環境の提供を基本サービスとしつつ、「人材育成プログラム」、「共創プロジェクトの組成」を組み合わせてサービス提供。生み出された個別PJに対しては、「個別伴走にて事業のスケール化」を支援。挑戦人材のビジョンや強みを可視化・ナビゲートするとともに、各社の知的資本を可視化し、領域・テーマ毎での共創活動を促進。
国内外含め、多様な企業・人が共創するFuture Centerネットワークを軸に、新事業を創出し、成長させていくエコシステムを構想します。
(出典:ICMGのHP https://www.icmggroup.com/future-center-tokyo/)