2023年10月8-13日にFCAJメンバー企業9名がフィンランドに遠征しイノベーションエコシステムについて、産学官民の視点から多面的に探求し、現地で意見交換してきました。
ウェルビーイングやサステナビリティを大目的に、あらゆる取組みがエコシステムとしてオーケストレーションされ、市民参加型で社会をドライブしているのが印象的でした。
<主な訪問先とテーマ>
【テーマと訪問先】
■R&Dイノベーション
<訪問先>VTT、ノキア
R&Dから社会実装に繋げる上で、システムダイナミクスやフォーサイト、シナリオプランニング、データシミュレーション等を組み合わせたアプローチを通じて、エコシステム思考を徹底しながらオープンイノベーションを推進しています。
■スタートアップ
<訪問先>Nordic Deep Tech Business Summit、Nordic Ninja
起業への心理的安全性や、研究者による社会実装を意識したストーリーテリングの浸透、VC等によるサステナブルディープテックへの積極的な投資などを背景に、社会の持続可能性を意識したスタートアップが目立ちました。
■教育
<訪問先>アールト大学、Make with Espoo co-creation in Espoo‘s learning environments(就学前教育)
文理融合した実践重視のプロジェクトラーニングをはじめ、企業との教材共創のメソッド化、多文化理解とシチズンシップの醸成など、実践的かつ複眼的に構想する力を育む教育システムが長けているように見受けられました。
■都市
<訪問先>Oodi公立図書館、Iso Omenaショッピングセンター、シトラ、カラサタマスマートシティ
市民参加型のリビングラボによるアジャイル開発や、施設各所での市民の声を拾うフィードバックシステム、さらには社会インパクトにつながる行動変容のサービスデザインなど、市民を巻き込む工夫が随所に見られました。
【遠征参加者の感想や学び(アンケート回答から一部抜粋し編集)】
・産官学民の様々なプレイヤーの話を直接聞くことができ、イノベーションエコシステムの理解が深まった。また、概念や方法論だけではなく実際のアウトプットやソリューションにも触れることができた。
・多様な視点でイノベーション創出の仕組みを見られた。
・現地機関とのグローバルパートナーシップを締結できた。
・市民のエンゲージメント&ソーシャルイノベーションは、市民と国や市、組織のリーダーとの間の「Flat & Trustな関係性」が土台になっていることがよくわかった。
・イノベーションにおける各セクターの関わり方やエコシステムのつくり方を学ぶことができた。日本にどのような可能性があるのかを知ることができた。
・イノベーションエコシステムの構築に向けたヒントと乗り越えるべき壁について、現地に行かなければ得られなかった知見を得ることができた。
・施設運営やエコシステム構築において、多くのステークホルダーとオープンに議論してよりよい方法にブラッシュアップしていくこと、またそのために利用者・訪問者からのフィードバックを受けて運用改善に持続的に反映していく仕組みをつくることにトライしたい。
・ウェルビーングや社会課題といった大きな問いから研究・事業のアイデアを作り上げていくプロセスが理解できた。